SUS303材の平面研削・研磨(ラップ)・内径外径・ねじ研削加工はお任せください!

大古精機では精密ゲージ設計製作の加工技術・検査能力を活かして、精密研削加工を行なっております。

大古精機では、これまでの実績をもとに独自に加工条件を設定し、試作を行なっておりますので、SUS303材の平面研削加工、研磨(ラップ)加工、内径外径加工、ねじ研削加工につきましても是非ご相談ください。

大古精機の精密研磨加工の詳細については、こちらをご覧ください。

SUS303材とは

SUS303材は、日本工業規格(JIS)におけるオーステナイト系ステンレス鋼の一種であり、機械加工性の向上を目的として設計された材料です。SUS303は、主に快削ステンレス鋼と呼ばれ、快削性が高く、複雑な形状の加工や大量生産に適しています。

特徴

  1. 優れた加工性:
    • 硫黄(S)やリン(P)の添加により、切削性が大幅に向上しており、機械加工が容易です。これにより、工具の寿命が延び、加工時間を短縮できます。
  2. 耐食性:
    • 一般的な環境での耐食性は良好ですが、硫黄の添加により耐食性が若干低下するため、特に高い耐食性が求められる用途には他のステンレス鋼(例えばSUS304)が推奨される場合があります。
  3. 耐熱性:
    • 比較的高温でも安定した特性を維持しますが、極端な高温環境では他の耐熱性に優れたステンレス鋼が推奨される場合があります。
  4. 強度:
    • 機械的強度は一般的なオーステナイト系ステンレス鋼と同程度で、引張強さや降伏強さが優れています。

化学成分

SUS303材の主な化学成分は以下の通りです。

  • 炭素(C): 0.15%以下
  • シリコン(Si): 1.00%以下
  • マンガン(Mn): 2.00%以下
  • リン(P): 0.20%以下
  • 硫黄(S): 0.15~0.35%
  • ニッケル(Ni): 8.00~10.00%
  • クロム(Cr): 17.00~19.00%

機械的性質

SUS303材の主な機械的性質は以下の通りです。

  • 引張強さ: 515 N/mm²以上
  • 降伏強さ: 205 N/mm²以上
  • 伸び: 40%以下
  • 硬度: 187 HB以下(ブリネル硬度)

利用例

SUS303材は、その優れた機械加工性から、さまざまな用途で使用されています。

  • 自動車部品: シャフト、ボルト、ナット、フィッティングなど。
  • 電気・電子機器部品: コネクタ、端子、スクリューなど。
  • 機械部品: ギア、ベアリング、バルブ、ピンなど。
  • その他の用途: キッチン用品、医療機器、装飾品など。

比較と選択

SUS303と他のオーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304やSUS316)との比較において、主に機械加工性が優れている点が強調されます。しかし、耐食性や耐熱性が必要な場合は、用途に応じて他のステンレス鋼が適している場合があります。具体的には、以下のような点を考慮します。

  • SUS304: SUS303に比べて耐食性が優れています。溶接性も良好で、食品加工設備や化学プラントなどで広く使用されます。
  • SUS316: モリブデン(Mo)の添加により、さらに優れた耐食性と耐熱性を持ち、海洋環境や化学薬品の使用環境に適しています。

加工と仕上げ

SUS303材は、その機械加工性の高さから、複雑な形状の加工や大量生産に適しています。以下の加工方法が一般的に使用されます。

  • 切削加工: 高速切削が可能であり、優れた表面仕上げが得られます。
  • 研削加工: 高い精度での仕上げが可能です。
  • ドリリング: 穴あけ加工も容易で、工具の摩耗が少ないです。

まとめ

SUS303材は、その優れた機械加工性から、幅広い工業用途で使用されるステンレス鋼です。特に、精密な加工が必要な部品や大量生産が求められる用途に適しており、自動車部品や電気・電子機器部品などで広く利用されています。耐食性や耐熱性が特に重要な場合には、他のステンレス鋼と比較し、適切な材質を選択することが重要です。

精密研磨加工・ラップ加工

大古精機の精密加工/測定技術を活かし、精密研磨加工、ラップ加工を請け負います。