64チタン材の平面研削・研磨(ラップ)・内径外径・ねじ研削加工はお任せください!
大古精機では精密ゲージ設計製作の加工技術・検査能力を活かして、精密研削加工を行なっております。
大古精機では、これまでの実績をもとに独自に加工条件を設定し、試作を行なっておりますので、64チタン材の平面研削加工、研磨(ラップ)加工、内径外径加工、ねじ研削加工につきましても是非ご相談ください。
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64チタン材について
64チタン材(Ti-6Al-4V)は、アルミニウムとバナジウムを添加したチタン合金の一種で、最も広く使用されているチタン合金です。この合金は、優れた強度対重量比、高い耐食性、優れた生体適合性などの特性を持ち、多くの産業分野で重要な材料として利用されています。
特徴
- 高強度・軽量:
- Ti-6Al-4Vは、非常に高い強度と軽量性を兼ね備えており、特に航空宇宙産業で重宝されています。
- 優れた耐食性:
- チタン自体が持つ耐食性に加え、アルミニウムとバナジウムの添加により、海水や多くの化学薬品に対する耐食性が向上します。
- 優れた生体適合性:
- 生体組織との親和性が高く、医療用インプラントや義肢、歯科材料などで広く使用されています。
- 耐熱性:
- 高温環境でも機械的性質が劣化しにくく、約400°Cまでの高温で使用可能です。
- 加工性:
- 冷間加工や熱間加工が可能であり、鍛造、鋳造、溶接などの加工方法が適用できます。
化学成分
Ti-6Al-4Vの主な化学成分は以下の通りです。
- チタン(Ti): 残りの成分
- アルミニウム(Al): 5.5~6.75%
- バナジウム(V): 3.5~4.5%
- 酸素(O): 0.2%以下
- 鉄(Fe): 0.4%以下
- 炭素(C): 0.08%以下
- 窒素(N): 0.05%以下
- 水素(H): 0.015%以下
機械的性質
Ti-6Al-4Vの主な機械的性質は以下の通りです(代表的な熱処理条件での値)。
- 引張強さ: 895 MPa以上
- 降伏強さ: 825 MPa以上
- 伸び: 10%以上
- 硬度: 30~36 HRC
利用例
Ti-6Al-4Vはその優れた特性から、さまざまな用途で使用されています。
- 航空宇宙:
- 機体構造部品、エンジン部品、ランディングギアなど。
- 医療:
- 骨接合プレート、人工関節、歯科インプラント、手術用器具など。
- 化学工業:
- 化学反応容器、熱交換器、ポンプ、バルブなど。
- 自動車:
- エンジン部品、排気システム、サスペンション部品など。
- スポーツ用品:
- ゴルフクラブ、自転車フレーム、テニスラケットなど。
熱処理プロセス
Ti-6Al-4Vは、適切な熱処理によってその機械的性質を最適化することができます。代表的な熱処理プロセスは以下の通りです。
- 焼なまし(Annealing):
- 約 700~800℃で加熱し、ゆっくりと冷却します。この処理により、内部応力が解放され、機械加工性が向上します。
- ソリューション処理(Solution Treatment):
- 約 930~970℃で加熱し、急冷します。この処理により、組織が均一化され、その後のエイジング処理に備えます。
- エイジング処理(Aging Treatment):
- ソリューション処理後、約 480~540℃で一定時間保持し、空冷します。この処理により、析出硬化が進行し、強度が向上します。
加工と仕上げ
Ti-6Al-4Vは、その特性から特定の加工方法を必要とします。
- 切削加工: 高硬度のため、適切な工具と切削条件が必要です。冷却液の使用も推奨されます。
- 溶接: アルゴンガスを使用したTIG溶接やレーザー溶接が一般的です。溶接後の熱処理が必要な場合があります。
- 鍛造: 熱間鍛造が一般的で、適切な温度管理が重要です。
まとめ
64チタン材(Ti-6Al-4V)は、その高強度、軽量性、優れた耐食性、生体適合性などの特性から、多くの産業分野で重要な材料として使用されています。航空宇宙、医療、化学工業、自動車、スポーツ用品など、多岐にわたる用途で利用されており、その需要は今後も増加することが期待されています。適切な熱処理と加工方法を選択することで、その特性を最大限に引き出すことができます。
精密研磨加工・ラップ加工
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