ダイス鋼の平面研削・研磨(ラップ)・内径外径・ねじ研削加工はお任せください!

大古精機では精密ゲージ設計製作の加工技術・検査能力を活かして、精密研削加工を行なっております。

大古精機では、これまでの実績をもとに独自に加工条件を設定し、試作を行なっておりますので、ダイス鋼の平面研削加工、研磨(ラップ)加工、内径外径加工、ねじ研削加工につきましても是非ご相談ください。

大古精機の精密研磨加工の詳細については、こちらをご覧ください。

ダイス鋼とは

ダイス鋼は、金属のプレス加工、切削、鍛造などの金型(ダイス)や工具に使用される特殊な合金鋼です。非常に高い硬度、強度、耐摩耗性、耐熱性を持ち、極めて過酷な使用条件に耐えることが求められます。ダイス鋼は、その用途に応じて、いくつかの種類に分類されます。

ダイス鋼の種類

  1. 冷間工具鋼(Cold Work Tool Steel): 冷間状態での加工に使用される鋼種。高硬度と耐摩耗性が特徴で、シャー、パンチ、型などに用いられます。主な種類にはD2鋼、A2鋼、O1鋼などがあります。
  2. 熱間工具鋼(Hot Work Tool Steel): 高温状態での加工に使用される鋼種。高温での強度と耐熱性が特徴で、ダイキャスト金型、鍛造ダイスなどに用いられます。主な種類にはH13鋼、H11鋼、H21鋼などがあります。
  3. プラスチック用金型鋼(Plastic Mold Steel): プラスチック成形金型に使用される鋼種。良好な鏡面加工性と耐食性が特徴です。主な種類にはP20鋼、420鋼、S136鋼などがあります。
  4. 高速工具鋼(High-Speed Steel, HSS): 高速切削に耐える鋼種。高硬度、高耐摩耗性、高温強度が特徴で、ドリル、タップ、エンドミルなどに用いられます。主な種類にはM2鋼、M42鋼などがあります。

化学成分と特性

ダイス鋼の特性は、化学成分によって大きく左右されます。主な成分には以下のようなものがあります。

  • 炭素(C): 硬度と耐摩耗性を向上させる。
  • クロム(Cr): 耐食性と耐熱性を向上させる。
  • バナジウム(V): 粒子微細化に寄与し、硬度と強度を向上させる。
  • モリブデン(Mo): 耐熱性と靭性を向上させる。
  • タングステン(W): 高温での硬度と強度を向上させる。

熱処理

ダイス鋼の特性を最大限に引き出すためには、適切な熱処理が不可欠です。一般的な熱処理プロセスには以下のようなものがあります。

  1. 焼入れ(Quenching): 鋼を高温に加熱し、その後急冷することで硬度を向上させます。
  2. 焼戻し(Tempering): 焼入れ後の鋼を適切な温度で再加熱し、急冷することで靭性を向上させ、内部応力を緩和します。
  3. 焼なまし(Annealing): 鋼を一定の温度に加熱し、その後ゆっくり冷却することで、内部組織を均一化し、加工性を向上させます。

用途

ダイス鋼は、様々な産業で広く利用されています。具体的な用途には以下のようなものがあります。

  • 自動車産業: エンジン部品、トランスミッション部品の製造用金型。
  • 航空宇宙産業: 高精度な部品製造用工具。
  • 電機・電子産業: 半導体製造用金型、接点材。
  • 医療機器: 手術用器具、歯科用インプラント。
  • 一般機械: 切削工具、鍛造工具。

ダイス鋼の課題と展望

  • コスト: 高品質なダイス鋼は製造コストが高く、特に高精度な金型や工具ではそのコストが大きな要因となります。
  • 脆性: 高硬度を持つ一方で、脆性が問題となる場合があります。特に高応力環境下では破損のリスクが高まります。
  • 熱処理技術の重要性: 適切な熱処理が求められるため、高度な技術と経験が必要です。

未来に向けて、ナノ技術や複合材料の利用、新しい製造プロセスの導入により、さらに高性能なダイス鋼の開発が進むことが期待されています。これにより、より過酷な条件下でも長寿命な金型や工具が実現されるでしょう。

このように、ダイス鋼はその高い性能と多様な用途から、製造業において不可欠な材料となっています。

精密研磨加工・ラップ加工

大古精機の精密加工/測定技術を活かし、精密研磨加工、ラップ加工を請け負います。