精密測定治具の設計製作(事例)

ナックルアームのマルチ測定治具

 

ナックルアーム(knuckle arm)は、自動車のステアリングシステムを構成する一部品であり、自動車の前輪を保持し、ステアリングナックルを介してステアリング操作をタイヤに伝える部品です。ナックルアームは写真のように立体的な形状をしており、穴の位置も三次元的に配置されていることが多い部品です。

 

(ナックルアームのイメージ:当社が測定治具を設計した実際の部品ではありません)

 

今回、生産管理部門のお客様から「ナックルアームの検査の際に、ポジション(穴位置)、穴振れ、穴傾き、平面度などの測定を一発で、しかも左右1セットを一緒に出来ないか」というご要望を頂きました。

確かに一台の測定治具でマルチに対応できれば、検査の時間短縮はもとより、管理のしやすさなどでもメリットが大きくなります。とはいえ、例えば部品に穴が6箇所あり、それぞれ4種類の測定(検査)をする場合、6×4×2=48の測定を一発ですることとなります。治具としては複雑になり設計製作の難度は高くなりますが、このような一つ一つのご要望にお応えしていくことが私たちの使命であり、このケースでもお客様が求めるQCDをなんとか実現することが出来ました。

実際に製作した測定治具の図面や画像については、それを元にお客様のワークが想定出来てしまうため、残念ながらをご覧に入れることが出来ませんが、参考図面を以下に掲示させていただきます。

このようなノウハウを活かして貴社の測定治具を設計することが出来ますので、是非お気軽にご相談ください。

 

 


コンロッド小端部C面測定具

 

コネクティングロッド(コンロッド:connecting rod)は、エンジンのクランクシャフトとピストンをつなぐリンク部品であり、ピストンとコンロッドは、燃焼(化学反応)により発生した上下方向の力(運動エネルギー)を、クランクシャフトへ回転運動に変換して伝える部品です。

(コンロッドのイメージ:当社が測定治具を設計した実際の部品ではありません)

 

小端部の内壁の内向きに空いている油穴の面取りに対するC面測定は、通常の測定具ではコンタクトできない難しい箇所であり、お客様がご存知の測定具メーカーでは対応できないと断られてしまったとのことで当社にご相談を頂きました。

また3次元画像測定器では対応できる可能性がありますが、それらは現場のオペレーターが確実に扱うことが難しく、現場で直感的に測定できる方法を模索しておられました。

どのような設計を行いこの問題をクリアしたのかを詳しくは申し上げられませんが、まさに「どうやったら測れるのか分からない」「他社で出来ないと断られた」といった難しい案件について、当社の経験豊富な設計スタッフが工夫を凝らし、現場レベルで確実に測定できる治具を設計させて頂きました。

もちろん私たちが全ての課題にお応え出来るわけではございませんが、真摯に検討させて頂きますので、ぜひお気軽にお声がけ下さい。

なおこちらの事例に関してもお客様のワークが想定出来てしまうため、残念ながら実際に製作した測定治具の図面や画像をご覧に入れることが出来ませんが、参考図を以下に掲載させて頂きます。

コンロッドだけでなく、シリンダーライナーや各種バルブなどの検査においても応用できるノウハウですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

特注検査治具・加工治具の設計製作

最短納期で貴社ワークのための特注検査治具・加工治具を設計製作いたします。