SCM材の平面研削・研磨(ラップ)・内径外径・ねじ研削加工はお任せください!
大古精機では精密ゲージ設計製作の加工技術・検査能力を活かして、精密研削加工を行なっております。
大古精機では、これまでの実績をもとに独自に加工条件を設定し、試作を行なっておりますので、SCM材の平面研削加工、研磨(ラップ)加工、内径外径加工、ねじ研削加工につきましても是非ご相談ください。
大古精機の精密研磨加工の詳細については、こちらをご覧ください。
SCM材とは
「SCM材」は、日本工業規格(JIS)におけるクロムモリブデン鋼の一種で、機械構造用合金鋼として分類されます。SCMは「Steel Chromium Molybdenum」の略称であり、クロム(Cr)とモリブデン(Mo)を添加した合金鋼です。SCM材は、優れた機械的性質と耐熱性を持ち、主に高温環境や高強度が求められる用途で使用されます。
種類と化学成分
SCM材にはいくつかの種類があり、それぞれの化学成分は異なります。以下に代表的なSCM材の種類とその化学成分を示します。
- SCM415:
- 炭素(C): 0.13~0.18%
- クロム(Cr): 0.90~1.20%
- モリブデン(Mo): 0.15~0.30%
- マンガン(Mn): 0.60~0.90%
- シリコン(Si): 0.15~0.35%
- SCM435:
- 炭素(C): 0.30~0.38%
- クロム(Cr): 0.90~1.20%
- モリブデン(Mo): 0.15~0.30%
- マンガン(Mn): 0.60~0.90%
- シリコン(Si): 0.15~0.35%
- SCM440:
- 炭素(C): 0.38~0.43%
- クロム(Cr): 0.90~1.20%
- モリブデン(Mo): 0.15~0.30%
- マンガン(Mn): 0.60~0.90%
- シリコン(Si): 0.15~0.35%
特徴
- 高強度:
- クロムとモリブデンの添加により、高い強度と硬度を持ちます。
- 耐熱性:
- 高温環境でも安定した機械的特性を保持するため、耐熱性に優れています。
- 耐摩耗性:
- 高い耐摩耗性を持ち、長期間にわたって使用される部品に適しています。
- 靱性:
- 高い靱性を持ち、衝撃に対する耐性も優れています。
- 熱処理性:
- 焼入れ、焼戻しなどの熱処理を行うことで、機械的特性を調整することが可能です。
利用例
SCM材はその優れた機械的性質と耐熱性から、さまざまな用途で使用されています。
- 機械部品: ギア、シャフト、クランクシャフト、ボルト、ナットなど。
- 自動車部品: エンジン部品、トランスミッション部品、サスペンション部品など。
- 建設機械: 建設機械の各種構造部材や部品。
- 航空宇宙産業: 高強度と耐熱性が求められる航空機部品や宇宙機部品。
熱処理プロセス
SCM材は熱処理により特性を向上させることができます。代表的な熱処理プロセスは以下の通りです。
- 焼入れ(Quenching):
- 鋼材をオーステナイト化温度(通常850~880℃)に加熱し、その後急冷することで硬度を向上させます。
- 焼戻し(Tempering):
- 焼入れ後、適度な温度(通常200~650℃)で再加熱し、所望の硬度と靱性を得るための処理です。
- 焼なまし(Annealing):
- 鋼材をゆっくりと加熱し、適度な温度で保持した後、ゆっくりと冷却することで、内部応力を解放し、加工性を向上させます。
SCM材はその高強度、耐熱性、耐摩耗性から、耐久性が求められる機械部品や自動車部品、航空宇宙産業の部品など、多くの産業分野で重要な役割を果たしています。
精密研磨加工・ラップ加工
大古精機の精密加工/測定技術を活かし、精密研磨加工、ラップ加工を請け負います。