SKS材の平面研削・研磨(ラップ)・内径外径・ねじ研削加工はお任せください!

大古精機では精密ゲージ設計製作の加工技術・検査能力を活かして、精密研削加工を行なっております。

大古精機では、これまでの実績をもとに独自に加工条件を設定し、試作を行なっておりますので、SKS材の平面研削加工、研磨(ラップ)加工、内径外径加工、ねじ研削加工につきましても是非ご相談ください。

大古精機の精密研磨加工の詳細については、こちらをご覧ください。

SKS材とは

「SKS材」は、日本工業規格(JIS)における合金工具鋼の一種で、特に耐摩耗性と靱性に優れた特性を持つため、刃物や工具などの製造に広く使用されます。SKS材は、炭素を主成分とし、クロムやマンガン、バナジウムなどの元素を添加して性能を向上させています。

特徴

  1. 高硬度:
    • 熱処理後の硬度が非常に高く、耐摩耗性に優れています。これにより、刃物や工具としての寿命が延びます。
  2. 靱性:
    • 高い靱性を持ち、衝撃や繰り返し荷重に対する耐性が優れています。これにより、割れや欠けが生じにくいです。
  3. 耐摩耗性:
    • 高い耐摩耗性を持ち、切削や研削作業での摩耗が少なく、工具の寿命が長いです。
  4. 加工性:
    • 優れた加工性を持ち、切削、研削、熱処理後の仕上げ加工が容易です。

種類と化学成分

SKS材にはいくつかの種類があり、それぞれの化学成分は異なります。以下に代表的なSKS材の種類とその化学成分を示します。

  1. SKS3:
    • 炭素(C): 0.90~1.05%
    • マンガン(Mn): 1.00~1.50%
    • クロム(Cr): 0.30~0.50%
    • シリコン(Si): 0.10~0.35%
    • リン(P): 0.030%以下
    • 硫黄(S): 0.030%以下
  2. SKS21:
    • 炭素(C): 0.70~0.80%
    • マンガン(Mn): 0.50~0.90%
    • クロム(Cr): 0.90~1.20%
    • シリコン(Si): 0.15~0.35%
    • リン(P): 0.030%以下
    • 硫黄(S): 0.030%以下
  3. SKS93:
    • 炭素(C): 1.40~1.55%
    • マンガン(Mn): 0.20~0.50%
    • クロム(Cr): 11.00~13.00%
    • シリコン(Si): 0.20~0.50%
    • モリブデン(Mo): 0.70~1.00%
    • バナジウム(V): 0.20~0.50%

利用例

SKS材はその高い硬度と耐摩耗性、靱性から、さまざまな用途で使用されています。

  • 刃物: 工業用ナイフ、カッター、はさみ、メスなど。
  • 工具: ドリル、タップ、フライスカッター、リーマーなど。
  • 金型: プレス金型、成形金型、ダイカスト金型など。
  • 機械部品: ギア、シャフト、ローラーなど。

熱処理プロセス

SKS材は熱処理により特性を向上させることができます。代表的な熱処理プロセスは以下の通りです。

  1. 焼入れ(Quenching):
    • 鋼材をオーステナイト化温度(通常800~900℃)に加熱し、その後油中や空気中で急冷することで硬度を向上させます。
  2. 焼戻し(Tempering):
    • 焼入れ後、適度な温度(通常150~250℃)で再加熱し、所望の硬度と靱性を得るための処理です。
  3. 焼なまし(Annealing):
    • 鋼材をゆっくりと加熱し、適度な温度で保持した後、ゆっくりと冷却することで、内部応力を解放し、加工性を向上させます。通常の焼なまし温度は710~740℃です。

まとめ

SKS材は、その高い硬度、耐摩耗性、靱性から、精密な刃物や工具、金型、機械部品など、多くの産業分野で重要な役割を果たしています。特に、高い精度と耐久性が求められる用途で広く利用されており、適切な熱処理を施すことで、その特性を最大限に引き出すことができます。

精密研磨加工・ラップ加工

大古精機の精密加工/測定技術を活かし、精密研磨加工、ラップ加工を請け負います。