SUS420材の平面研削・研磨(ラップ)・内径外径・ねじ研削加工はお任せください!
大古精機では精密ゲージ設計製作の加工技術・検査能力を活かして、精密研削加工を行なっております。
大古精機では、これまでの実績をもとに独自に加工条件を設定し、試作を行なっておりますので、SUS420材の平面研削加工、研磨(ラップ)加工、内径外径加工、ねじ研削加工につきましても是非ご相談ください。
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SUS420材とは
SUS420材は、日本工業規格(JIS)におけるマルテンサイト系ステンレス鋼の一種であり、特に高硬度と耐摩耗性が求められる用途で使用されます。この鋼材は、炭素含有量が高く、熱処理によって高い硬度を実現できるため、刃物や工具、機械部品などで広く利用されています。
特徴
- 高硬度:
- SUS420材は、炭素含有量が高いため、熱処理(焼入れ・焼戻し)によって非常に高い硬度を得ることができます。これにより、耐摩耗性が向上し、長寿命な部品を製造できます。
- 耐食性:
- マルテンサイト系ステンレス鋼として、クロム含有量が高く、一般的な環境での耐食性は良好です。ただし、オーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304やSUS316)と比較すると、耐食性は劣ります。
- 機械的性質:
- 高硬度だけでなく、高い引張強さと降伏強さを持ちます。ただし、靱性はオーステナイト系ステンレス鋼に比べて低いです。
- 加工性:
- SUS420材は、熱処理後の硬度が非常に高いため、加工は難しいですが、焼なまし状態では加工が可能です。通常は、焼なまし後に加工し、その後熱処理を行います。
化学成分
SUS420材の主な化学成分は以下の通りです。
- 炭素(C): 0.16~0.25%
- シリコン(Si): 1.00%以下
- マンガン(Mn): 1.00%以下
- リン(P): 0.040%以下
- 硫黄(S): 0.030%以下
- クロム(Cr): 12.00~14.00%
機械的性質
SUS420材の主な機械的性質は以下の通りです。
- 引張強さ: 約 520 N/mm²以上(焼なまし状態)
- 降伏強さ: 約 205 N/mm²以上(焼なまし状態)
- 伸び: 約 20%以下(焼なまし状態)
- 硬度: 95 HRB以下(焼なまし状態)、50~56 HRC(焼入れ・焼戻し後)
利用例
SUS420材はその高硬度と耐摩耗性から、さまざまな用途で使用されています。
- 刃物: 包丁、ナイフ、はさみ、メスなど。
- 工具: ドリル、タップ、フライスカッター、リーマーなど。
- 機械部品: シャフト、バルブ、ボルト、ナット、軸受など。
- 医療用具: 手術器具、歯科器具など。
熱処理プロセス
SUS420材は、適切な熱処理を施すことで、その特性を最大限に引き出すことができます。代表的な熱処理プロセスは以下の通りです。
- 焼入れ(Quenching):
- 鋼材を980~1050℃に加熱し、その後油中や空気中で急冷することで、マルテンサイト組織を形成し、高硬度を得ます。
- 焼戻し(Tempering):
- 焼入れ後、150~370℃で再加熱し、硬度と靱性のバランスを調整します。通常、200℃程度での焼戻しが一般的です。
- 焼なまし(Annealing):
- 鋼材を820~900℃に加熱し、その後ゆっくりと冷却することで、内部応力を解放し、機械加工性を向上させます。
まとめ
SUS420材は、その高い硬度と耐摩耗性から、刃物、工具、機械部品など、多くの産業分野で重要な役割を果たしています。特に、耐摩耗性が求められる用途や高い硬度が必要な部品で広く使用されています。適切な熱処理を行うことで、その特性を最大限に引き出し、長寿命で高性能な部品を製造することができます。
精密研磨加工・ラップ加工
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