精密研削加工|測定設備の紹介 電気マイクロメータ

精密研削加工での品質確保のために不可欠である、大古精機で使用中の各種測定設備についてご紹介させて頂きます。

電気マイクロメータについて

電気マイクロメータとは、電気的な信号を利用して非常に小さな寸法や厚さ、変位を高精度に測定する装置です。通常の機械式マイクロメータと異なり、接触や非接触のセンサーを用いて電圧や抵抗などの電気信号を変位や寸法に変換して測定します。ナノメートル単位の微小な変位も正確に測定できるため、精密な品質管理や研究開発の分野で広く利用されています。

電気マイクロメータの構造と特徴

電気マイクロメータは、主に以下の部品で構成されています:

  1. センサー
    対象物の変位や寸法を感知する部分です。種類として、接触式のプローブや、非接触式のレーザー・渦電流センサーなどがあります。非接触タイプは柔らかい素材や微小な対象物にも適しており、正確に測定が可能です。
  2. 測定アンプ
    センサーで取得した微弱な電気信号を増幅して、計測しやすい形に整えます。これにより、測定精度と安定性が向上します。
  3. デジタル表示装置
    測定結果をデジタル数値として表示する部分です。測定値はナノメートル単位まで表示できるものが多く、細かな変位の確認が簡単に行えます。
  4. データ出力および解析ソフトウェア
    測定データを保存・分析するためのシステムです。測定結果をパソコンや他の装置に転送して、解析や保存ができます。

測定原理

電気マイクロメータは、センサーで得た物理量(距離、厚さ、変位など)を電気信号に変換し、その信号を解析して寸法を求めます。例えば、以下のような測定原理が使用されます:

  • 抵抗変化方式
    抵抗の変化を利用して変位を検出します。抵抗が変化するとそれに対応する電圧も変わり、その変化量を測定して寸法や変位を計算します。
  • 容量変化方式
    電極間の距離が変わると電気容量が変化する現象を利用します。この方式は非接触測定にも適しており、精度が非常に高いのが特徴です。
  • 渦電流方式
    渦電流の変化を利用して、金属の厚さや変位を測定します。この方式は非接触で高速測定ができ、機械的影響が少ないため精度が高くなります。

活用例

  1. 精密機械部品の寸法測定
    製造業において、部品の微小な寸法の検査や品質管理に使用されます。例えば、ベアリングの隙間や薄いフィルムの厚さ測定などです。
  2. 半導体や電子部品の製造
    半導体や回路基板の厚さ、表面の粗さ、層間の間隔などの微細な測定に利用されます。
  3. 研究開発
    ナノテクノロジーや材料科学などの分野で、物質の変位や応力による寸法変化の観察・測定に役立ちます。
  4. 組立ラインの自動検査
    自動車や電子機器などの生産ラインにおける寸法検査を自動化し、製品の品質管理をリアルタイムで行います。

弊社所有の電気マイクロメータ

メーカー:(株)ミツトヨ

型式:M400

測定目盛:0.0001mm(0.1㎛)

測定製品:高さマスタなど

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