タングステンの精密研磨加工,ラップ加工

タングステンの精密研磨加工について弊社へのお問い合わせが増えてまいりました。各種材料についても積極的にトライアルをさせて頂いておりますので、弊社で加工可能かどうか是非お気軽にお問い合わせください。

今回は、タングステンの精密加工に関連する基本情報をまとめてみましたので、ご検討の際の参考になれば幸いです。

 

タングステンの特性

タングステン(W)は非常に高い融点(約3422°C)を持ち、密度も高く、硬度も非常に高い金属です。この特性により、耐熱性、耐摩耗性、耐酸性に優れており、工業用途で幅広く使用されています。特に、航空宇宙、電気、医療、半導体業界などで需要が高い材料です。

しかし、その硬度と融点の高さにより、加工が難しい金属でもあります。切削や研磨には特別な設備や技術が求められます。

精密研磨の目的

タングステンの精密研磨加工は、表面を滑らかにするだけでなく、特定の寸法や形状に対する高い精度が必要な場合に行われます。具体的な用途としては、タングステン製のエレクトロニクス部品や医療器具、精密機械部品などがあり、それらの部品に求められる高い表面仕上げや寸法精度が精密研磨によって達成されます。

精密研磨加工の技術と方法

タングステンの精密研磨には以下のような技術や方法が一般的です。

  1. ダイヤモンド研削:タングステンの硬度が非常に高いため、研削にはダイヤモンドを使用することが一般的です。ダイヤモンド砥石を用いることで、効率よくかつ精密な仕上げが可能です。
  2. 電解研磨:化学薬品を使用して表面を溶解させ、滑らかな表面を得る方法です。機械的な力を加えないため、微細な表面仕上げが可能で、特に微細加工や複雑な形状の部品に適しています。
  3. ラップ加工(Lapping):ラッププレートと研磨剤を使用し、摩擦によって表面を整える加工方法です。ラップ加工は、精密な平面度が求められる際に有効で、研削よりもさらに高い精度が得られます。
  4. 超音波研磨:超音波振動を利用して表面を研磨する方法で、硬度が高く脆い材料であるタングステンにも適しています。この方法では、複雑な形状や小型の部品にも適用可能です。

加工の課題と解決策

タングステンの精密研磨にはいくつかの課題がありますが、それに対する解決策もあります。

  • 工具摩耗:タングステンの硬度により研削工具が早期に摩耗します。このため、ダイヤモンド砥石や高耐久の砥石が推奨されます。
  • 熱生成:加工中に多くの熱が発生するため、冷却が重要です。冷却液の使用や適切な切削速度を設定することで、熱による材料の変形や表面品質の低下を防ぎます。
  • 脆性破壊:高硬度ながらも脆い性質があるため、過度な力を加えると表面に微細な欠陥が生じることがあります。低速での加工や超音波研磨を使うことで、脆性破壊を抑えることが可能です。

タングステン精密研磨の利点と用途

タングステンの精密研磨は、製品の寸法精度や表面品質を向上させるために重要です。精密研磨によって得られる滑らかな表面は、特に以下の分野で有用です:

  • 半導体産業:タングステンは電気抵抗が低く、導電率が高いため、配線材料や接触部品として使用されることが多いです。
  • 医療機器:タングステンの耐摩耗性と耐食性が要求される医療機器の部品に適しています。
  • 航空宇宙:タングステンは耐熱性が求められる部品に使用されるため、表面の精度が重要です。

タングステンの精密研磨は高度な技術を必要としますが、適切な方法と設備を用いることで、高品質な部品製造が可能です。

 

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