精密研削加工|測定設備の紹介 万能測長機その1

精密研削加工での品質確保のために不可欠である、大古精機で使用中の各種測定設備についてご紹介させて頂きます。

万能測長機について

万能測長機(ばんのうそくちょうき)とは、部品や製品の長さ、直径、厚さ、内径、外径、深さなど、さまざまな寸法を高精度に測定するための装置です。製造業や精密機械加工において、複雑な形状や厳密な寸法精度が求められる部品の検査や品質管理に利用されています。

万能測長機の構造と特徴

  1. 測定テーブル
    測定対象物を置くテーブルで、X軸・Y軸・Z軸の3軸に移動させながら寸法を測定できるものが一般的です。多くの場合、安定性を保つために石や金属製のテーブルが使われています。
  2. プローブ
    寸法を検出するセンサーの部分です。プローブは対象物に接触して位置を感知するものが多いですが、非接触式の光学プローブやレーザープローブを搭載した機種もあります。これにより、柔らかい素材や複雑な形状も精度よく測定できます。
  3. デジタル表示および制御装置
    測定結果をデジタル表示し、リアルタイムで寸法データを確認できる装置です。制御装置には専用ソフトウェアが組み込まれており、測定データの記録や解析、統計処理が可能です。
  4. 高精度なリニアスケール
    万能測長機の多くには、リニアスケール(線形測定装置)が搭載されており、プローブの移動量を高精度に計測します。このリニアスケールにより、微細な寸法変化も正確に捉えられます。

測定方法

万能測長機での測定手順は、以下のような流れで行います:

  1. 測定対象の設置
    測定対象物をテーブル上に正確に固定します。必要に応じて治具(固定用の補助具)を使い、位置を安定させます。
  2. プローブの位置合わせ
    プローブを測定対象物の基準点に合わせます。この基準点から他の部分へプローブを移動させながら測定を行います。
  3. 寸法の測定
    測定対象物の各部位にプローブを移動させ、デジタル表示装置により寸法を確認します。自動で複数の位置を測定し、その結果を保存・解析することも可能です。
  4. データの記録と解析
    測定結果をソフトウェア上で記録し、必要に応じて分析や品質管理に活用します。測定データは、設計図面との比較や、検査報告書の作成にも利用されます。

万能測長機の用途と活用例

万能測長機は、以下のような用途で広く使用されています:

  1. 精密部品の寸法検査
    精密機械部品や金型の寸法を正確に測定し、製品が設計通りの寸法を満たしているかを検査します。
  2. 工具やゲージの校正
    工具や測定器の校正にも利用され、測定基準の維持に役立ちます。これにより、測定精度を保ち、製品の品質管理が徹底されます。
  3. 多様な形状の測定
    測長機は内径、外径、厚み、深さ、直径、角度などの異なる形状を一台で測定できるため、多様な部品や製品の検査に対応可能です。
  4. 製造工程の検査
    製造プロセス中の部品検査を行い、早期に寸法の異常を発見し、不良品の発生を防ぐ役割も果たします。

弊社所有の万能測長機

メーカー:OKM JENA
型式:ULM OPAL 600
測定範囲:外径:φ0~600mm
内径:φ10~450mm 深さ
Y:25mm/Z軸80mm
測定目盛:0.0001mm(0.1㎛)又は0.00001(0.01㎛)切替式
測定製品:外径・内径・幅・3針を利用したおねじの有効径の測定など

万能測長機その2も併せてご覧ください。

 

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